qkyuqの日記

無駄なことなんてひとつもないよ

2024年、映画館で映画を見るのが楽しい

 

2024年初夏、最近映画館で映画を見るのが楽しい。

 

最初に断りを入れておくがブログ主は決して映画通ではない。

「シャイニング」も「エスター」も未だ見ておらず、今年初めて「ショーシャンクの空に」を見た程度に浅い(めっちゃ感動した)。好きな映画は「フロム・ヘル」「悪の教典」「仮面ライダージオウ Over Quartzer」だ。

最近見て面白かったのは「ゴジラ-1.0」と「ウィリーズ・ワンダーランド」、さらにそれらはAmazonプライムビデオを利用しているため、リアル劇場に通う頻度は会員カードの特典で年に一回映画が一本無料になるかならないか。その上見るのはもっぱら好きなアニメの劇場版、というただのアニメ・キモ・オタクくんである。

大きなスクリーン・上質な音響というものにはあまり興味がなく(視力が悪く聞き分けにも自信が無い)、現地へ赴く理由は大体封切り直後にTwitterでネタバレが流れてくる前に見てしまいたい気持ちだったり、アトラクション感覚で4DXを体験したいだったり、スマホを封印する「強制力」としての映画館、その程度だった。

 

しかし昨年末引越しをし、最寄りの映画館の選択肢が増えた結果やや欲が出始めた。ゆえに最近劇場で見た映画とその所感をブログに留めておこうという試みである。

新作映画に対するアンテナが決して高くも敏感でもないので大半がアニメ映画であるが、とりあえず今年、今現在まで劇場で見た6本を紹介する。

 

アイドルマスター シャイニーカラーズ第3章」

年始に池袋で「さよなら絶望先生」の展示会があり、会期中は足繁く通っていたのでその時見た1本。

グランドシネマサンシャイン池袋に初めて入った。2019年開業だけありロビーもトイレも非常に綺麗。シアター毎の作品表示が液晶パネルなの、金がかかっている施設!という感じ。特典はアンティーカだった(映ってないけど)。

f:id:qkyuq:20240604235517j:image

シャニマスは実は1章も2章も見ていない。ゲームを始めたのも昨年末からで、異次元フェスからの新規層だ。途中から見ることに抵抗はあったが、4月からテレビアニメも始まるのでそこで見直せばいいかな…ライブシーンは大きい画面で見ときたいかな…と言うのが主な動機。

本編の出来に賛否両論あるものの、最終話のライブシーン、とりわけ放課後クライマックスガールズの太陽キッスが劇場の画と音で見れたのは大きい。

また上映終了後フォトセッションなるものがあり、スマートフォンで写真を撮って良いのが衝撃だった。良い試みだと思う。

f:id:qkyuq:20240605001641j:image

 

傷物語-こよみヴァンプ-」

シネマシティ立川シネマ・ツーcスタジオにて、舞台挨拶ライブビューイング版。

f:id:qkyuq:20240605165441j:image

本当は新宿バルト9の本会場にもちろん行きたかったのだが抽選に外れたためである。

傷物語は2016年〜の劇場三部作版も見ているが、総集編といえどせっかく劇場で見れるのであればということで来訪。前週の絶望先生トークライブに続き、神谷浩史が見たかったというのもある(悲しいことにそちらも配信組だった)。

三部作版がそうであったように、今回も週替わりで特典小説が配布されるのではないかと戦々恐々としていたが、幸か不幸かそれはなかった。しかし玖渚盾がメインヒロインの混物語が読みたくなかったといえばそれは嘘だろう。

映画本編は(主に羽川の)フェティッシュな成分を大幅に削り、非常なクールなフィルムに仕上がっていて格好良かった。しかしキスショットのための映画を謳うのならば忍野のくだりを全カットして良かったのだろうか、易々とハンターに手足を奪われまくる怪異の王の名誉回復が待たれる。そのほかバトルシーンのロジックなんかも全く説明がなかったので、傷物語【問題編】みたいな感じがあった。ここから原作読んだら答え合わせしまくれて楽しいのかもしれない。まあ元の映画が8年前、原作に至ってはもう16年前であるから、ご新規さん向けプロモーションだったのだろう。

アフレコがあまりにも前だったため(三部作版完結直後らしい)神谷浩史坂本真綾両名が質問を振られるたびに答えづらそうにしていて笑ってしまった。今作では物語シリーズお決まりの阿良々木先輩のナレーションが全くと言っていいほど入らないので、前項シャニマスと同じくこれが「写実性」なのかなあと思う。眼で見えているものしかわからない、的な。

f:id:qkyuq:20240605165500j:image

 

「機動戦士 ガンダムSEED FREEDOM」

家人に付き合って劇場で4回見た。

リアルタイム世代ではないもののエンターテインメントとして非常にクオリティが高く、前半と後半の構成がわかりやすかった。封切り直後の1月下旬から3月下旬にかけて長いスパンで4回見たので、その間にテレビシリーズもリマスター版で合計約100話履修している。

20年前の、SEED DESTINYの時点で、ラクスの本質に迫っていたミーア・キャンベルが好きだ。ラクス・クラインって、ホントはなんだったんだろう?」が当のラクスに刺さりまくっている事がわかるノベライズ版FREEDOMは必読である。

映画館に話を戻すと、これはシネマシティ立川のシネマ・ツーaスタジオ極爆上映で1回、イオンシネマシアタス調布のMX4Dで1回、MOVIX昭島で2回見ている。

今ならば立川aスタジオ極爆のありがたみもわかるのだろうが、当時は劇場設備に対する知見が低く純粋に「映画だけ」を楽しんでいた。

MX4Dはモビルスーツに「乗っている」感覚が味わえることを期待して行ったがどちらかというと蹂躙される側の感覚が強くて面白かった。あとオルフェのダンスが上手い。

そしてこの回で初めて4DXとMX4Dがあることを知る。引越し前は近隣に4DXしか選択肢が存在しなかった。インターネットで比較記事を探し、せっかくなので揺れの激しい(であろう)方を選んだ。その方が楽しいだろうと思ったからだ。実際楽しかったし、死ぬほど座り直す必要があった。

MOVIX昭島へは来場者特典(小説二作)目当てで行ったので特筆することはなし。ただ飲食の物販がドリンクバー形式だったのには驚いた。上映中わざわざおかわりしに抜けてくる人とか、いるんだろうか。連続して何本か見る人向けなのかな(多分)。

 

ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」

こちらもシネマシティ立川、シネマ・ツーaスタジオ。極音上映でこそなかったものの、私が「劇場で見ること」に価値を見出し始めた一本。

ウマ娘はテレビアニメ1期〜3期、配信版ROAD TO THE TOPを履修済み。うまゆるとアプリ版育成シナリオをちょこちょこ、ぐらい。

フジキセキ先輩が好きなので彼女目当てで行ったのだが、これが結果的に映画体験としてものすごく良かった(もちろんフジ先輩も良かった)。

本当は上映前に劇場の売店で買ったプレミアムポップコーンが死ぬほど小さくて、TOHOシネマズの巨大ポップコーンに慣れきったデブはめちゃくちゃキレていたのだがそんなことは些事だ。

f:id:qkyuq:20240604235537j:image

新時代の扉はRTTTと同じくCygamesPicturesが製作している。RTTTの時点で作画が良いことは明白であったが、劇場版はそれを上回って凄まじい。特にレースの、ジャングルポケットアグネスタキオンの背を追うところなんかが最高だ。シネマシティのaスタジオは芝を駆ける音がビシビシと伝わってきて座席を揺らす。まるで自分がポッケと同じ位置、立場にいるかのような、圧倒的な没入感を4DX的な演出なしで魅せている。私は史実を知らないので、レースのシーンは毎回祈るように手を組みながら画面に食い入って見ていた。あの間呼吸できてなかったように思う。

日常パートの演出も良い。アグネスタキオンが実質的な引退を発表した後の嘘みたいに真っ赤なトレセン学園校内や、せっかく華々しい勝利を収めたのにも関わらず自分の広告がタキオンに塗り潰されていく幻影を見るジャングルポケットフジキセキと朝日の中を走るシーン、やたら背景モブとしての登場回数が多いアグネスデジタル

キャラクターの話だと今作主人公ジャングルポケットは一人称が「俺」の、「最強」に固執する野性味溢れるウマ娘だが、決しておバカキャラというわけではないのがかなり良い。非常に聡明で、ちゃんと悩み、他人を想う、魅力的な主人公だ。ワイルドなのに顔つきや髪型はどちらかといえばフェミニン寄りなのも可愛い。

サブキャラの描写がアニメ3期はやや弱かったが(サウンズオブアースとか)、今作はダンツフレームにもちゃんと見せ場がある(勝てはしなかったけど)。タキオン無き後ポッケのライバルとして彼女がいてくれてよかった。光るものはないけれど、ものすごい才能はないけれど、それでも勝利を渇望する姿はみな等しく眩しい。名も無き大多数のウマ娘がそうであるように。

劇伴のクオリティも異常に高い。私は音楽の良し悪しを察る才能がまあ残念なことにほんの少しも無いのだが、それでも「流れるべき」時に流れている、それでいて異質な、なんというか表現の難しい良さがあった。劇場からの帰り道ですぐサントラを探して聴いたのは人生で初めてである。

惜しむらくはRTTTであったテイエムオペラオーの勝負服の飾りが鳴らなかったことだ。肩の金属パーツが走っている時に揺れる音があったはずなのだが、これは新時代の扉では聴くことが叶わなかった。劇場用再編集版RTTTも見に行けば良かったと思う。無念。

 

「劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト

人は言う。「スタァライトは劇場で見ろ」と。

しかし私の初めての劇スは自宅で見る配信だった。本当は封切り直後Twitterのフォロワーに勧められて映画館に見に行くはずだったのだが、2021年夏当時は未だ新型コロナウイルスが猛威を振るっており、曲がりなりにも責任ある社会人として(職場で感染者が次々出る状況を鑑み)上映館がある首都圏へ出向かうのが憚られたのである。今思うとそんな良い給料貰ってるわけじゃないんだから気にせず行けば良かった。

そうこうしているうちに2022年夏、アマプラでの配信が始まる。ここが私の初めての劇スとなる。テレビ版を見ていなかったので同時に配信が始まった再生産総集編、ロンド・ロンド・ロンドと続けて見た記憶がある。当時シネマシティ立川が極音再上映をやっており、1度見ただけの状態でもかなり行きたかったのだがこれもコロナで諦めた。ムカついたのでベストアルバムを爆音で流すドライブを近所でした。

さらに年が明けて2023年、たまたまTwitterのタイムラインでまた(またなのだが)再上映していることを知る。さらに今回は最寄りの映画館(ユナイテッド・シネマ水戸)でもやっていると言うではないか。仕事を終えた私は30分後の回のチケットを爆速で取り、映画館に向かった。劇場で浴びる競演のレヴュー、本当に良かった。配信で見ただけではそんなに印象の強いレヴューではなかったのだ。やはり皆殺しのレヴューのパンチにはどれも敵わなかったし、運命のレヴューから続く真矢クロの魂のレヴューが一番好きだった。しかし映画館の音響で聴くMEDAL SUZDAL PANIC◎〇●、これがめちゃくちゃ怖かった。この体験がなければ競演のレヴューの本当の価値がわからないまま死ぬ所だった。推しカプもまひかりにならなかったかもしれない。危ないところだった。

その後秋にテレビアニメ版のYouTube配信があったので全話履修したり、2024年には映画2本のYouTube配信があったり、オモコロチャンネルでダ・ヴィンチ・恐山が話題に出していたから見直したり、興が乗ってアマプラで舞台版を見たりした(♯2神楽ひかりの「私はまひると未来で繋がる者」って、一体なんなんだ)。

さて。

そうして2024年6月、3周年再上映が始まる。またかよ。3年前の映画だぞ。

劇場でまた競演のレヴューを浴びたいな〜と思いつつ、最寄りのイオンシネマのスケジュールを覗くとかなり遅い回しかやっていない。では2番目に近い劇場は?と探してゆくうちに目についたのがイオンシネマの「劇場案内」だった。なんだかIMAX?THX?とか、そう言うのがすごいらしい。去年普通のシアターで見てはいるから、どうせならよりよい環境でレヴュースタァライトを見たい。どうやら近隣で最も設備が良いのはイオンシネマ海老名、ここの7番スクリーンがTHXですこぶる評判が良いようだ。さらに都合のいいことにレヴュースタァライトをそこに充ててくれているではないか。ならば行くしかあるまい、高速道路を1時間半駆けて。

 

イオンシネマが入るイオン海老名ショッピングセンターはお世辞にも綺麗で巨大なイオンモールというわけではなく(事前リサーチでなんとなく察してはいたが)、なんというか、2000年代初頭のイオンという感じだった。道路を挟んで向かいのGEOは未だにレンタルビデオ業をしていて驚いた。

本当にここにすごい映画館があるのか…?と半信半疑で劇場入口に向かう。

f:id:qkyuq:20240604235554j:image

チケットをもぎりシアターへ。フォトスポット前には人だかりができており、およそ3年前の映画とは思えない賑わいぶりを見せている。すごいぜ少女歌劇レヴュースタァライト

f:id:qkyuq:20240605004030j:image

席につくと上映前にTHX専用の映像が流れ(4DXの動く椅子のムービーみたいなやつ)、そこの重低音がいちばん凄かった(劇ス本編にはあそこまで低い音が多分無かった)。初めて見るのでかなり圧倒される。

シンプルに音も大きいため、初手の爆散するトマトのシーンでビビってしまった。

音の凄みだと金属音のエッジが効いていて、特に皆殺しのレヴュー序盤で大場ななが日本刀を抜く時の音がかなり痺れる。競演のレヴューでメイスで地面を割るまひるもいい。あとこれは私が配信で気付かなかっただけだと思うが、幼少神楽ひかりが「おてがみ」を渡す際ポーチを開ける音もちゃんと入っていることに初めて気付いて感動した。序盤の進路相談のシーンも、交互に挟まる演技実習中のセリフがちゃんと聞こえる(文字起こし出来るほどじゃないのは私の耳が悪いから)。

狩りのレヴューでは純那ちゃんが反撃するパートで煙の立つシーンがあるが、スクリーンが余りに綺麗なため4DXかと錯覚した。

シネスコサイズがどういうものであるかいまいちよく分かっていないのだが、魂のレヴューで様々な舞台が変遷していくシーンのタイトルバックがかっちりハマっているのは見ていて非常に気持ちが良い。

終盤のひかりの名乗り口上はスポットライトの演出が臨場感マシマシに見えた。「私を照らせ、全てのライトよ!私に見惚れろ、全ての角度で!今の私がいちばん我儘、今の私がいちばん綺麗!舞台の上にスタァは1人、神楽ひかり──私がスタァだ!」の説得力が凄まじい。劇場版の口上で一番好きになった。

舞台版を見てから行ったので、中学生の華恋が青嵐と聖翔で進路を悩んでいたことに気づけて良かった。青嵐華恋if、だいぶ罪深い。

あとキリンが「私にも役があったのですね」で燃え落ちるシーンで今回初めて涙した気がする。2023年の再上映の際、来場者特典としてスタッフ本のリバイバル版が貰えた。その中の演出小池さんの絵が好きだったのだが、あの絵をふまえた上で見ると、観客として来るものがある。ここ客席にいる私たちも、「私たちはもう舞台の上」だ。他人事ではない。

上映後は客席から拍手が起こり、ああこの人たちは舞台を見に来たのだなと思った。

THX、すごく良かった。今度はグランシアターで見たい。イオンシネマシアタス調布、グランシアターで劇スをやってくれ。

 

「関心領域」

並びおかしいだろと言われそうであるが見てしまったものはしょうがない。

シネマシティ立川fスタジオ、極音上映にて。本当はウマ娘を極音でリピートしても良かったのだが、好きな作家が絶賛していたので見に行くことにした。今までは後方三列あたりで座席を取ってしまいがちだったが、よい音よいスクリーンの為にはやはり中央が良いのだろうと思いH列にした。ポップコーンをつまみながら見るタイトルではなかろうが、昼食を抜いていたため低血糖の気配を感じドリンクセットを購入する。

上映が始まると本編に派手なシーンはほとんどなく、これを極音で見る意味あったかなと序盤思わなくもなかったが、展開が進むにつれそれが誤りであることを分からされた。鑑賞者が「聞こうとしないと聞こえない音」があるからである。むしろそれしかないような映画だった。なんの予備知識も入れずに見に来た上、私のユダヤホロコーストに関しての知見は幼少の頃読んだアンネ・フランクの伝記程度のものでしかないから、私が感じた「嫌さ」(映画自体は嫌ではない、見るべくしないと見れないものがあって、それを自覚してしまう「嫌さ」を指す)はおそらくきっと程度が低い。なのでこの記事ではこの項を省こうかと一瞬考えた。しかしそうやって話題に挙げず、思い出さず、目の触れるところに置けるはずなのに「そうしない」罪への問題提起であったから、稚拙ながらこの文章を書いている。場面解説とかの詳しいことが知りたい人は詳しい人に聞いて欲しい、私は毛皮のコートと何度も映る列車(の煙)が特に嫌だった。

図らずも第四の壁を突破してくるような作品が続いたが、史実である以上第四も何も無いよなと思ったりする。

 

おわりに

長くなったが2024年上半期見た映画は以上だ。序文で「映画館、そんなに興味無い」的なことを言ったにも関わらず、振り返ってみれば月イチのペースで通っているから自分が思うより結構好きなんじゃないかという気がしてきた。良い映画に恵まれたことは当然ながら、最寄りのシアターがシネマシティ立川になった事が要因としては最も大きいかもしれない。昨年初めて利用した時は「小さくて古い映画館(シネマ・ワンの小さい箱だった)」という印象だったが、何回か通ううちにそうでないことを思い知らされた。

 

ゆくゆくはグランドシネマサンシャイン池袋IMAXレーザー/GTテクノロジーを利用しに行きたいと思っている。今は特に見たいタイトルがやっていない(私は「マッドマックス」すら見ていないのでその続篇もまた見れない)。

おそらく年末公開になるであろう「魔法少女まどか☆マギカ ワルプルギスの廻天」が該当スクリーンで上映されることを切に願うばかりである。

あ、その前にラストマイルも見ます。

 

《追記》

ラストマイルとわんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびーを見ました。めっちゃ良かったです。

ワルプルギスの廻天は延期しました。こんなのってないよ。